一般財団法人 健康とアートを結ぶ会 主催
健康をめざすアート展「20 GAME 10」を終えて…後編
11月中旬にミーツギャラリーで開催された- 健康をめざすアート展「20 GAME 10」- を終えた宮島永太良さんとシモンミラニモポさんに今回の二人展についてのエピソードを語っていただきました。
宮島永太良(みやじまえいたろう)さん・シモンミラニモポさん
☆二人展「20 GAME 10」作品制作のヒント
宮島永太良さん(以後M):今回のDMにも載せた作品はシモンさんの謎の発言から生まれました。シモンさんに僕が「健康とアート」を現代アートに結びつけたいと言ったら、アンディ・ウォホールこそ「健康とアート」に最初に気付いた人だと言われました。その時は意味が分からなかったけれど、そう言うのであれば、アンディ・ウォホールの模倣をやってみたらどうだろうと考え、コカコーラとかキャンベルスープを並べた作品があるので、そのイメージで花瓶を並べ、そこに間違い探しを加えてみました。あの作品が今回の展覧会の原点じゃないかと思うし、原動力になったかもしれません。結果的には少し捻った間違い探しだったので、予期しない反応もありましたが、それでも個人的には良かったと思っています。
シモンミラニモポさん(以後S):ポップアートの盟主アンディ・ウォホールが大好きな俺だからこその発想だけど、宮ちゃんがその言葉に反応してくれたのは嬉しかった。
M:実は、あと2022年秋のグループ展「健康をめざすアート展」で発表されたシモンさんの金と写真を使った作品にも少なからず刺激を受けました。
S:あれはその年の秋にゲルハルト・リヒター展を観て刺激を受け、制作した作品。それで、いま宮ちゃんと話していて気付いたけれど、やっぱりお互いに何らかの刺激を受けているよね。その良い例が、今月からJR関内駅北口のカフェで展示している俺の作品が6枚あるんだけれど、いつものようにバンバンと描いて、金の余白を残し、そこにイタズラ描きをしたみた。そのイタズラ描きのヒントは宮ちゃんのマルタからなんだ。俺からは観たら漫画っぽく見えるマルタを、実際に俺が描いてみたらどうなるのかと思って挑んでみたんだ。その思いってかなり前からあり、これまでずっと観ていた様々な場所にある落書きのイメージに近く、俺がやったらどうなるんだろうと思っていたんだけど、結果的にも違う表現の扉が開いた感じ。だから、俺たちって微妙な影響をしあっていると思うな。
☆共作について
S:共作については最初、俺は宮ちゃんの意図がわからなかった。だから、宮ちゃんが描いたものの上に絵の具を乗せて良いのかもわからなかった。わからなかったから、ビジュアル的に美しくなっていればいいやと思って自分なりに描いてみたんだ。
M:僕としては今回の二人展では、最初からシモンさんと共作をしようと思っていました。それでせっかくだから、内容はゲーム性のあるものにしようと考え、ハサミとスペードを描きました。その後の僕の意図としては、その二つをシモンさんに隠してもらい、観る方に「スペードを探してください」「ハサミを探してください」「ハサミでも洗濯バサミではありません」にしようと思っていたけれど、絵が隠されていなかったので、臨機応変に「探してもらい方」を「切れないハサミを探してください」に変更しました。
S:共作は初めてだから、二人の意思の疎通がイマイチだったかな。だから、とりあえずビジュアル的に成立していればなんとかなるだろうと言うのが、俺のオチです(笑)。
M:僕は作品を正当化しようと思い、最近は「博物館でこどもに謎を解きながら、観てもらうことをしている」と聴いていたので、それをヒントに出題してみました。そうしてお客さんが頭を使うことが「健康」に結びつくし、正解を導き出してもらえればと良いかなと考えていました。
S:まぁ今後も共作をこれから重ねて行けば、今回とは違う成果があるかもしれないね。
M:今回は現代アートによって「健康」を表現をできたのは成果だと僕は思っています。いつになるかわかりませんが、次の二人展が楽しみです(笑)。
おわり
(構成・撮影 関幸貴)
Archive | アーカイブ
Atelier Archive ►