アトリエ 訪問

 


昨秋、健康をめざすアート展「20 GAME 10」にゲスト出展。そして、この4月にミーツギャラリーで開催される第21回「花まつり」にも出展予定の森田由佳子さんの近況を、彼女の歌の練習の場でもある横浜・根岸の森林公園で語っていただきました。

森田由佳子(もりたゆかこ)さん

森田由佳子(もりたゆかこ)さん

☆森田由佳子さんの…

作品発表:昨年11月、知り合ってちょうど10年になる絵の先輩の宮島永太良さんとシモン ミラニモポさんからのお誘いで二人展にゲスト参加し、亡き父の事務所があった銀座で自分の絵を発表でき、この上ない幸せを感じました。作品的には、それまで主に天使や妖精を描いてきましたが、ここ数年で少しずつ変化し昨秋は自らが癒やされながら、優しい穏やかな色で描いた壮大な宇宙に咲く花や星座シリーズの絵を4点展示しました。そして、今春初めて参加するミーツギャラリーの「花まつり」では、描いている私自身も含めて「開放的で優しい気持ち」になれる4号の絵を3点展示予定しています。

介護と作品制作:約2年前から母の介護を始めました。全て未経験のことですから、肉体的にも精神的にも大変で日々様々な事に追われています。そんな時間の感覚が分からない状況ですから、絵を描くときは精神統一して一気に筆を進めます。その強い気持ちが反映されるのか、以前は消えちゃいそうな淡い天使や妖精の絵を色鉛筆で描いていましたが、介護をするようになってからは常に気丈でいなければならず、知らぬ間に線が前よりも優しいだけでなく、太く力強くなりました。ある意味、介護を修行として捉えている私にとっての変化の証なのかもしれません。
また、「母の介護しながら絵を描いていて良いのかな?」と考えたこともありましたが、私が描き出したら、「あら、これ綺麗な色ね~」と母が喋り出し、好きなショッキングピンクを使っていたら、母が「可愛い、可愛い ♪」と反応。その時は意識がはっきりし、生命力を引き戻してくれたような感覚だったので、「絵って凄い!」と思いました。本当に外からの力って大切ですね。加えて現在の母はいくつかの病気を患い、少し呆けが入っていますが表情はとても明るく、私は新鮮な感銘を受けています。と言うのは、以前は常に毅然としていた母でしたが、最近は少女のまま歳を重ねて来たんだなと思える様な可愛い姿が垣間見られ、その知らなかった素顔を見られたことで、私にとって「介護は宝物」と実感しました。最近はその気持ちも込めて絵を描いています。

絵本:昨年4月、文・都竹優子さん、絵を私が描いた絵本「天使になったTakumu 902」が出版されました。都竹さんは栃木県の方で面識はなく、ご縁があってインスタグラムで知り合いました。本の内容は、若くして亡くなった都竹さんの息子さんの実話が元になっています。出版の目的は、都竹さんと同じように、お子さんに先立たれた方々を元気づけるためで、描く内容は、それまでの自作品とは違い現実的な光景でした。最初はできるかなと心配でしたが、都竹さんとの意見交換や言葉にできない素敵な出来事がいくつも重なり、絵本は完成。これまでとは全く違う経験をさせていただきありがたく、描くことで私自身も癒されているんだなと感じました。やっぱり絵っていいですよね(笑)。

(2024/03/04 取材撮影 関幸貴)


プロフィール

森田由佳子(もりたゆかこ)さん
◆森田由佳子(もりたゆかこ)さん。
画家・アーティスト
7月11日 東京都武蔵野市生まれ A型
文化女子大学短期大学部生活造形学科卒業
横浜市在住 ArtQメンバー。
2023年11月:健康をめざすアート展「20 GAME 10」にゲスト出展
2024年04月:第21回花まつり 出展予定
 
最近作2点 愛用の筆 「天使になったTakumu 902」 お姉さん作「毛糸の帽子」

 

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