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2023年4月上旬、横浜の岩崎ミュージアムで、美術科に通う女子高校生Karenさんに絵との関わりを語っていただきました。

Karenさん

岩崎ミュージアムで

☆Karenさんが語る…

絵を描くこととは:私にとって絵を描くことって、日常的にみんなが朝起きてご飯を食べるようのと同じような感じです。物心ついた頃から、暇さえあれば描いているし、絵のない生活って考えられません。同時に幼い頃から物語を自分で考え、母や祖父に語っていたのがベースになり、小学校1年生の夏休みには第1作目の絵本「ファレッド」を書き上げました。そして、その後も私はずっと「絵と物語の世界」にいます。

好きな作家:ロコ・サトシさんです。ロコさんと両親が昔からの知り合いだったので、かなり小さな時から会っていたはず。だけど、私が幼稚園の年長さんの時、岩崎ミュージアムでロコさんがやっていたワークショップに参加したのが、存在を認識した最初だと思います。幼かった私にとってロコさんは、「なんだこの人!?」って感じで、謎に包まれた不思議な人で普通のオトナとは、かなり違っていました。いま思えば、絵に対する情熱があるだけでなく、それを自分の中だけにとどめようとせず、世界中に発信しようとしているロコさんの姿勢が溢れ出ていたのかもしれません。だから、ロコさんに出会ったことで、私は自分の作品を人に見てもらう意義を幼いなりに感覚で知り、絵本を作るきっかけになりました。時々、「Karenの印税で暮らす」なんて変なことを言いますが、ロコさんは幼い時から私をずっと見守ってくれている「絵に関する育ての親」と言えます。
あと一人気になるのが、父の知り合いが集まる定食屋の常連でアニメ監督の吉平"Tady"直弘さんです。この方も随分昔から面識はあるのですが、アニメーターだと知ったのは数年前のこと。作品の「シドニアの騎士」「空挺ドラゴンズ」も観ましたが、手描きとCGのいいとこどりの新鮮な映像で、とても刺激を受けました。そして、直弘さんから何度かアニメのお話を伺うことができ、私の夢は徐々に現実味を帯びてきました。

こだわり:基本、私は絵を好きな時にイメージした好きなものを描いています。ただART-Q展などのテーマが決まっている場合、100%の想像はやめ、必ず自分の体験したこととか、親しい人から聴いた話を元にして描いてきました。昨年、日美展で賞をいただいた「翡翠(かわせみ)」も動物好きのイトコの話を聴いてイメージして翡翠は図鑑を参考に、背景は実際にある公園の景色を描いた作品が既にあり、募集テーマに合っていたので応募しました。絵本もですが、どうも頭の中で整理してからじゃないと描けないのが、私Karenなのです。

*2023年4月8日(土)、横浜の岩崎ミュージアムで取材しました。

取材協力:岩崎ミュージアム
https://www.iwasaki.ac.jp/museum/index.html


(取材構成・撮影 関 幸貴 )


プロフィール

Karenさん
◆Karenさん
美術高校生
2007年:横浜生まれ
2022年:第5回日美展 油絵の部で「翡翠(かわせみ)」が入選特別賞受賞
小学校1年生からART-Qメンバー
 
愛用サコッシュ ロコさんと一緒 6歳の時に書いた作品「ファレッド」 第5回日美展 油絵の部 入選特別賞「翡翠」

 

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