アトリエ 訪問

特別企画 - 「健康とアートを結ぶ会」主催「健康をめざすアート展 」 出品作家に聴く♪
3月5日良く晴れた土曜日、東京都世田谷区野沢にあるギャラリー汀で、
個展開催中の渡邊智美さんに「描くこと」「観ること」について語っていただきました。

渡邊智美(ワタナベトモミ)さん

個展 Imagine of Landscape 開催中のギャラリー汀で

☆渡邊智美さんにとって…

描くこと:かつてデザイナーとして私が会社勤めをし、組織の歯車の一つとして仕事をしていた時、上司から手酷い人格否定をされました。その言葉に大変ショックを受け「自分の存在ってなんだろう?」「元々画家になりたくて美大へ進み、絵を学んだのに一体何をしているんだ。このまま人生を終えて良いのか!」と悩んだ末、心の中でマグマが大爆発、「私は画家になりたかったんだ!」という強い思いが噴き出したのは2008年8月のこと。大学卒業後、しばらくはグループ展等で美術活動していましたが、その頃は仕事、結婚、家事育児で10年ぐらいは描いていませんでした。でも心機一転、それを機に強固な意思を持って画業再開。そして、同年12月には素敵なご縁と私の思いが重なり、銀座の画廊で、23点全て新作の初個展を開催することができました。テーマ設定から作品制作まで数ヶ月しかなく時間的余裕はほとんどありませんでしたが、「描きたい」という強い思いが私にあったからこそ初個展が実現できたと今でも思っています。
私にとって描くことは、自己表現であると同時に存在意義を見出せる行為、描き表現することに生きがいを感じています。テーマは、自然界の美しい色彩と粒子エナジーを表し、刻々と変化する美しい一瞬の心象風景を表現したいと思って筆をとりますが、描いている時、トランス状態とでもいうのでしょうか、時として自分の存在がなくなり、見えない誰かに操られている感覚に陥ります。好きなピアノ演奏時も同じ、私は色も音も自分の好きな波長を重ねているだけなのです。そして、それらのハーモニーを奏で、幾層にも重ねることで自分にとって気持ちの良い作品に仕上げ、鑑賞者が、その波長を感じとり同調、それぞれに心地良い時空間が、広がってくれれば嬉しいなと思っています。


観ること:極力、自分の波長に合う作品を観たいです。何故なら私にとって良い波長が伝わって来れば気持ちが整うし、モチベーションがあがるからです。大好きな作家は、早逝したホアキン・トレンツ・リャド、原画は買えないので、いま私のアトリエの壁にはカレンダーになったリャドの作品がたくさん貼ってあります。東山魁夷も良いですが、全てというわけではなく、私は深い緑が好きなので彼の緑色を基調にした作品が好みです。ただ、自分の波長に合う作品との出会いはそうそうないので、多くの美術館では早足で歩き、作品を観るのも速いですよ(笑)。でも、モネの大きな作品「睡蓮」が展示されているパリの「オランジュリー美術館」でなら、何時間でも観て居られると思います。


取材協力:ギャラリー汀 https://www.migiwa.gallery      (構成・撮影 関 幸貴)


◇出品展覧会情報
*第7回KSアーティストクラブ展
会期:2022年5月9日(月) ~15日(日)
第1会場:銀座幸伸ギャラリー1F&2F
所在地:東京都中央区銀座7-7-1 銀座幸伸ビル
時間:11時~18時(初日14時~、最終日16時まで)
http://www.ginza-kosin.com
第2会場:ミーツギャラリー
時間:12時~19時(初日15時~、最終日17時まで)

*健康をめざすアート展
第1期
会場:ミーツギャラリー
会期:2022年5月16日(月)~5月21日(土)
第2期
会場:The Art complex Center of Tokyo
所在地:東京都新宿区大京町12-9
電話:03-3341-3253
会期:2022年5月24日(火)~5月29日(日)
https://www.gallerycomplex.com/info

 



プロフィール

渡邊智美さん
◇渡邊智美(ワタナベトモミ)さん
画家
愛媛県松山市出身
武蔵野美術大学卒業
KSアーティストクラブ代表
一般財団法人「健康とアートを結ぶ会」
支援アーティスト
個展、グループ展多数
 
ピアノ演奏中の渡邊智美さん ピアノの上の展示作品 作品集やカレンダーなど ギャラリー汀 入口

 

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