アトリエ 訪問

初秋の「なよたけ」で小高嘉照さんにコロナ禍での制作活動を語っていただきました…

小高嘉照(こだかよしてる)さん

小高嘉照さん

☆小高嘉照さんの…

コロナ禍での陶芸教室:30代中頃に私が陶芸を始めて40年を越えましたが、今回のコロナ禍の様な経験したことはありません。でも、陶芸に関係することでコロナの影響が私に直接あったかと言えば、立ち上げて25年になる伊豆の工房での陶芸教室も、神奈川と静岡の県境を跨ぐので移動に関しては車を用い、人には会わず、感染対策も万全を期して継続していますし、月3回14年続けている横浜/関内の教室は、市の公的施設を使っている関係で緊急事態宣言でお休みになったりするぐらいで、ダメージはそんなに受けていません。


コロナ禍での大きな壁:ただ、本当言うと今の私は、陶芸人生で初めてと言って良いぐらいの大きく高い壁に対峙している状況なのです。と言うのは、今春も例年通り「なよたけ」で開催予定だった美術家/宮島永太良さんとの「二人展」で、初合作品を披露するため春先のある日、時間をかけ、私の皿に永太良さんの手で絵を描いてもらいました。工程的に、そこまでは至極順調で、私は意気揚々と、いつもと同じ様に伊豆の窯に入れ、作品の出来上がりを楽しみに待ちました。ところが、焼き上がった7枚のうち6枚が割れ、なんとかカタチになったのが、たったの1枚しかなかったのです。その有り様を見て、私は茫然自失、と同時に永太良さんに描いてもらった絵も駄目になったことを意味し、時間が止まってしまった様な感覚に捉われました。

展覧会に出す作品作りで、こんな大失敗をしたのは初めてでしたが、個人的に考えると息子の結婚式の時、引出物用に茶碗を200個ぐらい作ったのですが、最初の窯は色が気に入らなくて全て廃棄、一からやり直したことがありました。ですから40年の陶芸経験で2度目のこと。その原因を考えると、まず精神的に今回も結婚式の時も、私自身の制作に対する意気込みが強過ぎたこと。そして、現実的には25年使っている窯が正常に動いていなかったからだと結論が出ました。だから、次の機会ために窯のファンも交換したし、心機一転、私も心からリラックスして作品制作に挑み、永太良さんとの「二人展」を、そう遠くない将来に実現したいと思っています。ただ、最後に一言だけ言わせてもらえば、コロナ禍のせいで、いつもの様に自由気ままな旅を私ができなくなったのも失敗の誘因だと思います。だから、もう少し秋が深まったら、妻と二人で美味しいものが食べられる北海道へ旅をするつもりで今を過ごしています(笑)。

 
*取材日:2021年9月8日 撮影のためマスクを外しました。



(構成・撮影 関 幸貴)

 



プロフィール

小高嘉照さん
◇小高嘉照(こだかよしてる)さんプロフィール
陶芸家「与游窯(よゆうがま)」主宰
ギャラリー喫茶「なよたけ」オーナー
Meets Art club所属
1945年 神奈川県生まれ、蠍座
2019年 Meets Galleryなどで個展開催
「花まつり」等のグループ展にも参加
趣味はコーヒーカップ収集、競馬
https://www.facebook.com/yositeru.kodaka
 
宮島永太良さんとの合作品 「なよたけ」に展示されている小高作品 伊豆の工房 作品制作中の様子、工房で…

 

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