アトリエ 訪問

アトリエ特別インタビュー♪
2月初旬よく晴れた日の午後、
ロコ・サトシさんと地元横浜で会い、コロナ禍の制作活動について語っていただきました!

ロコ・サトシさん

横浜市立幸ヶ谷小学校の壁画の前で

☆ロコ・サトシさんの…
コロナ禍の制作とこれから:

コロナ禍になったここ1年、仕事面ではロコのクライアントであるイベント会社や企画会社もほぼ休眠状態、例年なら春頃からイベントのための制作依頼が入っていたけれど、長年描いてきた10月開催の「横濱JAZZ PROMENADE」も含め、年間通して10~20ぐらいのイベントがなくなってしまった。加えてアートグループArtQの展覧会もゲーテ座館長/小池さんや周囲の仲間、JCOMさんのお陰で、なんとかリモート開催できた8月のゲーテ座以外は動けずに休止状態。で、ロコの外見からは想像できないかもしれないけれど、経済的にも精神的にも一定程度落ち込んだのは事実だった。その反面、色んなところから問い合わせがあり、たくさんではないけれど「ロコさんの絵を観ると元気になる」と言われ、描いた本人は不思議だったけれど絵を買いに来る人が、以前より少しだけ増えた。
また、コロナが怖かったから直接には会わなかったけれど、色んな人から「会ってくれ!」とアプローチされることも多々あったけど、あれって何が目的なんだろう? あと学校などからコロナ禍の子どもたちを元気にしたいと、ワークショップや壁画制作の問い合わせがちょこちょこ入り、実際に横浜市旭区の左近山団地ではベンチ4基に絵を描き、神奈川区の幸ヶ谷小学校では4年生全生徒とコラボして壁画を制作した。これらは半永久的な展示になり、様々な人との絵以外でも共同制作にもなるので、皆のためにも自分にためにも一所懸命描いた。ただ、個人の制作に関して言えば、日常から離れ日々アトリエに籠って好きな絵を描いている基本的なスタイルに変化はなかったけれど、これまでの自分を振り返る時間ができたので、以前から構想を練っていた自分の伝記と絡めてアートの師である「山羊先生」の人生を書くことを決め、ラフを作り始め、かなり進んだ。
山羊先生はロコが6歳まで愛媛県宇和島市の実家で一緒に暮らし、小学校5年から中学2年までの夏休みには毎年数週間仲良く過ごした本当の伯父。先生は一年中真っ白い半ズボンだけで過ごし、いつも山羊を引き連れていた地元ではちょっとした有名人だった。だけど、知識は原子物理学から芸術まで多方面に及び、子どもの頃のロコにとってはちんぷんかんぷんだったけれど、自分自身の人生で最も影響を受けた人物と言っていいかもしれない。21世紀になってすぐに亡くなってしまったけれど、愛すべき伯父である波乱万丈の人生と似たようなロコが歩んだ日々を重ね合わせた物語が綴れればと思っている。だけど、まだ先生のことが調べ足りないから、まず、今年の夏頃までには面白おかしく絵本とか紙芝居で発表できればと考えている。これは、コロナ禍だからこその産物と言えるかもしれないね、乞うご期待(笑)!

*今月は特別企画のため横浜市立幸ヶ谷小学校の壁画前での写真を掲載します。


(構成・撮影 関 幸貴)

 



プロフィール

ロコ・サトシさん
アーティスト。
愛媛県宇和島市生まれ、横浜在住。
1970年代後半から桜木町の高架下で壁画を描き始めた日本ウォールペイントの草分け的存在。1989年の横浜博覧会では最大級パビリオンのペイントを行う。以後、自身の制作活動と同時に子ども向けワークショップや絵本の執筆など、アートで多岐にわたり活動。1989年から5~6年間、日米を往復しながら作品制作、アメリカ西海岸サンディエゴのバルボアパーク・カルチャーセンターには数多く作品が残され、2018~19年には現地で個展開催。2013年からは個人活動に加え、横浜をベースにしたアーティストグループ「ArtQ」を主宰。2018年で画業40年を迎え、現在も横浜を中心に精力的に活動中。

2008年10月制作の壁画 2020年12月制作の壁画 学校前の歩道から見た壁画 第一京浜越しに見た壁画 

 

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