今月は、日本文化が芽吹いた奈良在住のアーティスト / 服部憲明さんの自宅アトリエをお訪ねしました。
アトリエ 訪問
服部憲明さんのアトリエ
☆服部憲明さんの…
好きな画家 :
クリヨウジ(久里洋二)、佐伯祐三、エドワード・ホッパー、河合勝三郎、荻須高徳
高校生の頃から好きな作家として、クリヨウジ氏(最近カタカナ名を使われているようなので)。
当時、TVで11PMという深夜番組をこっそり観ていて、その中で久里氏のアニメーションコーナーがあり、エロチックだけどウィットにとんだ独特の世界が大好きになり影響を受けました。
そして佐伯祐三の繊細な感性を激しく叩き付けたような作品。
最初に観た感動を今も鮮明に覚えています。
エドワード・ホッパーも好きですね。
静寂な孤独感。都会的な哀愁が好きです。
僕はクロッキーとペン画を描きますが、好きで影響を受けた作家としては、所属する「どうとん堀クロッキー研究所」主宰のタブローと版画の統合作品を制作する河合勝三郎氏の葦ペンを使ったクロッキー、ペン画では先程の久里氏と“自分でも意外ですが”若い頃から折に触れて絵を観ていた荻須高徳です。
こだわり :
クロッキーは形や顔の表情を意識しません。
それよりモデルの重心を捉え、肉体の表情、「気の流れ」を一気に描きたいと思っています。
そのため5分位で描くクロッキーが好きです。
10分を超えるような時間では集中力が緩慢になってしまいます。
さらに、ドローイング作品として制作を進める際は、描いた「気の線」を効果的に表現するように努めています。
また、ペン画はクロッキーと真逆のような作品ですが、心に記憶されている光景をモチーフにして、空想を遊ばせながら描きます。
下絵は描きません。
下絵を用意すると線をなぞり、絵が萎んでしまうような気がするからです。
僕は昔ながらのペンにインクを付けてフリーハンド描いています。
風景のいたる所に人を描き、たとえば、窓の一つひとつにそれぞれの人生の一駒があるような絵を描きたいと思っています。