6月下旬の梅雨晴れ間、ご両親が茅ヶ崎駅前で40年以上営む喫茶店chessにチバエリさんを訪ね、写真に関する諸々を聴かせていただきました。
アトリエ 訪問
チバエリさん
☆チバさんの…
好きな作家 :
好きな作家:画家なら伊藤若冲にサルバドール・ダリ。写真家だと土門拳に森山大道、そして、マリオ・ジャコメッリです。3人の写真作品はモノクロで、力強さを感じさせてくれるのが共通点です。中でも注目しているのが印刷業をしながら、趣味で自分の周辺を撮っていたイタリア人のマリオ・ジャコメッリ(1925-2000)です。彼を初めて知ったのは2013年春、東京都写真美術館で行われていた日本では2度目の写真展で、コントラストの効いたモノクロ作品を見た時です。「生と死」「静と動」を強く感じました。それまでヨーロッパはオシャレな写真が主流だと思っていたのですが、限定された地域の何気ない日常生活の中にも素晴らしい白黒の世界があることを彼の写真を通して知り、その衝撃から、私が興味を持ってバックボーンを根掘り葉掘り調べた数少ない写真家の一人です。だからと言って写真的に真似をしたいかと言えばそうではありません(笑)。リスペクトはしているけれど、彼と私は違う世界、時間軸に生きているのだから「写真に託す思い」を継承し、「素晴らしい感性」を咀嚼して、私自身の作品として写真表現ができればなと思っています。
こだわり :
写真を始めた動機ですが、花や景色を撮りたくて始めたのではありません。学生時代にもフィルムカメラの授業がありましたが、当時はほとんど興味が持てませんでした。それが2010年頃、コンパクトデジタルカメラを使い、平置きにした中古の子ども服を一度に200カットぐらい撮る仕事をし始め続けているうちに、カメラの写すメカニズムも含めて写真に対して熱い興味が湧き、初心者用一眼レフを購入、使い始めたのですが不明点が多々あり、写真学校へも通いました。これ、「物事に対する情熱への着火は遅いけれど、始めたらとことんやる」という性分が私を写真へ向かわせたと思います。さて、技術面のこだわりですが、画像編集&デザインソフトPhotoshopは、本格的に写真を始める前からデザインに使っていたのでカメラより付き合いが長く、「撮っても味気ないけれど、後からいじれば絶対に良くなる!」と、被写体によっては、レタッチの結果を念頭に置いて撮影することもあります。これは、私自身が「こんな感じに撮りたい!」と言うイメージがあり、日常的な風景や誰も興味を示さないような場所でも、写真にした時に一風変わった画になるのが楽しいから(笑)。あと撮影時のこだわりです。景勝地等での撮影時に良いシーンを求めて自分勝手に動く人がいますが、私は必ずルールを守ります。約束を破って撮る必然性はありません。自身の立ち位置で光を読み、広角、望遠とレンズ交換等で工夫を重ね、独自の世界を表現できれば良いと思います。つまり撮影時に大切なのは「臨機応変」な心構え。美しいモノは悪くありませんが、考えながら美醜を超え自分の視線で撮った写真が一番だと思います。
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