よく晴れた5月中旬、小山明久さんが園長を務める横浜の幼稚園を訪ね、制作に関するお話を聴かせていただきました。
アトリエ 訪問
小山明久(こやまあきひさ)さん
☆小山明久さんの
好きな作家 :
好きな作家:作品はもちろん拝見していますが、かつてテレビドラマで見た版画家の棟方志功さんが好きです。悪い眼のせいで、彼が木と接するぐらい間近で削る独特のスタイル、制作に全精力をつぎ込んでいる姿が心に残っていて、版画同様凄い迫力がありました。とにかく木に対する真摯な向かい方が魅力的でした。もうひとりもテレビで知ったのですが、天皇の料理番だった秋山徳蔵さんです。アーティストではありませんが、モノづくりに対する挑戦的な姿勢を学んだと思います。確かドラマのセリフで、「何故、弟子に教えないのか」と問われた時、彼が「親切に教えられたモノは粗末にするが、自分から盗みに行ったモノは一生大事にするし、それは器量があるものにしか盗めない」の返事に納得。と同時に「食を通して大切な方々の命を預かっている自分」に対する誇りを強く感じたからです。それは自分の世界を持つ意義であり、挑戦を続ければ世界が広がると感じました。私、芸術は新たな何かを生み出す行為だと思っているので、芸術家も挑戦する気持ちを失ってはいけないのです。
こだわり :
自昔から「木の温もり」が好きで60歳を過ぎてから宮大工や能登の漆の蒔絵に憧れました。それで趣味的に彫刻や木版画を始め、その流れで15年ぐらい前から寄木絵を始めこれまでに500作品を制作しました。その間、いつも心掛けていたのが「新たな挑戦」です。だから、作り方も木だけではなくチリメン(布)等も使用しながら工夫して変わり続けています。また、ミーツギャラリーで開催する「花まつり」等のグループ展に参加することで、茶杓作りの青山恵世さんらと出会い、茶杓ケース等の茶道具関連の木製品を制作を始めました。こうした新たな分野で制作できるのがたまらなく嬉しいです。確かにどこまで行っても答の出ない道かもしれませんが、苦ではありません。なんと言っても廃棄してしまう木に新たな命を吹き込めるのですから(笑)。
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