3月中旬、晴れた新宿御苑で田中いずみさんと会い、絵のことを中心に語っていただきました…
アトリエ 訪問
田中(たなか)いずみさん
☆田中いずみさんの
好きな作家 :
目標にするという感じではなく好きな作家さんはたくさんいますが、その中でもいちばん好きなのは、
ジョン・エヴァレット・ミレーです。ラファエル前派の画家で、小川の流れに浮かぶオフィーリアの
絵が有名なのですが、その絵の色合いがすごく好きですね。草の緑やちょこっとあるお花の色など、
自然の描写が本当に素晴らしいです。あと、作家といっても小説の方で、もう偏った読み方しかしてなくて
サイエンスフィクションやファンタジーばかりしか読まないのですが、アーシュラ・K・ル=グウィンが
いちばん好きです。「闇の左手』や「ゲド戦記』が有名な方ですね。「闇の左手』では、登場人物の葛藤など
の描写が本当に巧みで夢中になりました。こうした好みになったきっかけは『指輪物語』で、まだ誰も
知らない時代に新聞に広告が出ていたのを見て「これは絶対に読みたい!」と思い、本屋さんに注文して、
評論社から出ていた全6巻を揃えました。日本語に訳された最初のものです。その前に『ナルニア国物語』
などは学校の図書館で読んでいましたね。最近は宇宙シリーズも描いたりしているのですが、その根本が
この辺りにあるのかなぁ、と思ったりはします。みんなに「なんで宇宙なの?」と言われて
「もともとSF好きだから」と答えるとすんなり納得してもらえました(笑)。草木とは違いますが、
月も星も、そこにあるものという意味では自然ですよね。
こだわり :
小さい頃から絵が好きで描いていましたが、油絵具は匂いがダメで、いつか日本画を描いてみたい と思っていました。観たときにほっとするような作品、ずっと観ていたくなるような作品を
心がけています。モチーフにするのは自然のものが多いですね。お花屋さんにあるようなものではなく、本当に自然に生えている草木を描いています。日本画の画材で描いているのですが、岩絵具のもつ人工的ではない自然な色合いが好きです。油絵具などに比べ岩絵具は色数が多いのですが、
同じ色でも粒子の大きさが細かければ淡い調子に、粒子の粗いものはきれいな発色になりますが 、使い方も難しくなりますね。描く前にこの色だと最初に浮かぶこともありますし、いろいろと
試しながら色が選べる楽しさも感じています。
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