今月の「アトリエ」取材は、京都在住の画家 加藤力之輔さんを訪ね、緑に包まれた東山の坂道を上り、環境に恵まれたご自宅で行いました。
アトリエ 訪問
加藤力之輔さんのアトリエ
☆加藤力之輔さんの…
好きな画家 :
ティツィアーノ ピカソ マチス
若いころ、東京のブリヂストン美術館で青木繁の作品、「海の幸」を見た。
以来、私もあのような群像画を描いてみたいという、熱い思いに胸を膨らませた。
時を経た1972年、私は群像画を習得すべく、スペインにわたる機会を得た。
やがて、プラド美術館でティツィアーノの模写活動の中、グレコ、ベラスケス、ゴヤ等の群像画を眼の当たりにするに付け、その表現の巧みさに圧倒されるばかりであった。
描かれた人物一人ひとりの、その人物像の確かさ、それを構成する洗練された色彩と構図。
その美麗なまでの在り様に目を奪われ、まるで自分自身が絵の中に入り込み、存在を共有しているかの様な錯覚に陥った。
(2016年個展「光と影の眼差」パンフレットより)
こだわり :
私は、若いころから不断に「人体デッサン」を重ねてきた。
それは、デッサンが形態把握の原点をなすと考えるからである。
空間的・立体的自然の形象を、絵画という平面を写し取る時、形態の量感を的確に捉える構成要素の源はデッサンにある。
そして又、確かな線描によって構成されたデッサンは、その線が入るごとに生気展開を促し、色彩をも暗示する。
やがて、線そのものの中に浸透した色彩は光と影を織り成して、より生彩を喚起し、安定した空間との調和を生み出していく。
デッサンは、今尚、私にとって極めて重要な意義を呈している。
(黄色のKATO画集より)