9月の夜、モダンアート展などで力強い作品を発表し続ける深作廣光さんのインタビューを品川区内にあるアトリエで行いました!
アトリエ 訪問
深作廣光(ふかさくひろみつ)さん
☆深作廣光の…
好きな作家 :
時代で変遷はありますが、ロシア出身の画家ニコラ・ド・スタールは昔から気になる存在、ここ10年近くは長谷川等伯ですね。
きっかけは、2008年夏に東京国立博物館で展覧会「対決 巨匠たちの日本美術」があり、長谷川等伯の作品にじっくり接することができたからです。
催しの内容は、中世から近代までの日本美術史に名を刻む巨匠たち2人ずつ12組を対決させる形での作品等の紹介。
中の1組に安土桃山時代に御用絵師を激しく争った狩野永徳と長谷川等伯のパートがあり、激しいタッチで勢いがあるけれど、うまく空間をとっていることで静けさを感じさせる「松林図屏風」を見て、私も気持ちを持って行かれました。
他にも等伯作品は、特別公開でガラスなしに京都/南禅寺塔頭の金地院で「猿猴捉月図襖」や「老松図襖」、智積院の障壁画(3点とも国宝)を見ていますが、見ると元気になれるのが何よりです。
昔の美術や水墨画を古いと感じる人もいますが、それはとんでもないこと。
間違いなくモダンアートに通じると思います。
こだわり :
20年ぐらい前から、半透明の絵の具を用いてペインティングナイフで描き、筆は補助的に使っています。
最初の頃は砂を混ぜて描いていたのでザラザラ感がありました。
以後、その手法で試行錯誤を繰り返して描きこみ、昨年まではタッチの強さと存在感への意識がありましたが、今年になってから透明感へのこだわりが生まれました。
地塗りを、「たらしこみ」を進化させた方法で行うことで技量的にも自分なりの透明感に近づいた感じです。
そして、その作品「風の痕跡」を今年4月に行われたモダンアート展で発表、手応えがあったので、これからも自分の表現を追求して行きます。