土地を感じて作品制作をする竹本真紀さん!梅雨の晴れ間、横浜/長者町のアトリエで作品に囲まれながらお話を聞きました。
アトリエ 訪問
竹本真紀(たけもとまき)さん
☆竹本真紀さんの…
好きな作家 :
好きな作家はたくさんいて、言うのは少し恥ずかしいですが、年代順に紹介します。
最初は母が買っていた雑誌「詩とメルヘン」で表紙やアンパンマンなどを描いていたやなせたかしさん。
注目はされていましたが、まだ脚光を浴びる前で作品的には大人向けで暗め、それを幼い私は見ていました。
小一の頃は、大好きだったアニメ「クリィミーマミ」のキャラクターデザインをしていた高田明美さん。
綺麗な絵の影響を受け、友達が持っていた制作プロセスなどが載っていた「クリィミーマミの設定資料集」を見て、「絵を描く人になりたいな」と強く思いました。
小四の頃、すごい漫画で真似をしたのが、雑誌「花とゆめ」に掲載されていた星野架名さん。
日常生活の中から異次元に入ってしまうSFチックな物語を綴っていて、とても惹かれました。
次は小五〜六は学校の絵画クラブで、先生に「模写しなさい」と言われた作品が印象的だった松本竣介さん。
でも名前を知ったのは大学入学後。
中高ではあまり出会いがなく、弘前大学では、恩師でもある村上善男先生。
上京直後は、今年のヨコハマトリエンナーレにも出品する小沢剛さん。その小沢さんから課題を出され、追求し続け、オノ・ヨーコさんにたどり着いたのが22歳ぐらいの時。
オノさん後は、美学校の校長/今泉省彦さんに紹介されたコンセプチュアルアートの先駆者、草間弥生さんの心の拠り所であった、「量子芸術宣言」の著者、松澤宥さん。
その後、28歳ぐらいの時に美術の仕事でお会いした草間弥生さんも。
他にも好きな作家はいますが、私の目指す美術は、やなせたかしさんの「シンプルな中に深みがあり、表に分かりやすいもの」に集約されるかもしれません。
“Simple is best”かな!
こだわり :
仕事、自作品を問わず必然性を考えて制作します。
例えば絵画なら一本の線を描く意味を、お願いされて外で描く場合は周辺の景観、依頼者の好み、現場の建物とか土地が何を必要としているかを問いかけ、耳を澄まし、インスピレーションが閃いてから制作にかかります。
その場合、どうしても自分の意思や好みは出て来るので、できるだけそれを外すように心がけています。
また、私ではなく、他の人が向いている依頼があった場合は、企画に合う友人アーティストを紹介します。
だって、私が無理をするより適任者にお願いした方がすんなり進むし終わりが綺麗だと思うから。
あと自作品に関して付け加えれば、私自身、土着的観念をアートにする舞踏家に似た流れを汲み、土地が醸し出す空気感からしか表現できない作品に挑んでいるので、常に黄金町なら、寿町なら、どうすべきかを考えています。
だから、掃除や祭りでボランティアをしていると言われるけれど、作品制作するためには、みんなと同じ場所で息をするのが必要。
こうして竹本真紀の作品は横浜で生まれています。